ボールを使った陣取りゲーム。
アメリカでだけメジャーなスポーツで、その他の世界ではマイナーといえるスポーツだ。
そのルールは、サッカーが主流の国には全く理解されないかもしれない。
攻撃する側と守備する側が決められており、守備側が攻撃側のボールをインターセプトするか、4回の攻撃の間に攻撃側が陣地を10ヤード進ませないと、攻撃権が相手に移る。
フィールド上に存在する人数は11人だが、プレーとプレーの間であれば何人でも交替できるし、一旦プレーから外れた選手でも再びプレーに参加することができる。
選手は専門化し、それぞれ、オフェンス(攻撃)チーム、ディフェンス(守備)チーム、スペシャルチーム(キッキングチーム)に属する。
従って、1チームは大所帯で、NFL(National Football League)では、1チーム53人まで登録することができる。
また、審判も、レフェリー(Referee)、アンパイア(Umpire)、ヘッド・ラインズマン(Head Linesman)、ライン・ジャッジ(Line Judge)、バック・ジャッジ(Back Judge)、フィールド・ジャッジ(Field Judge)及びサイド・ジャッジ(Side Judge)の7名もいる。レフェリーとその他の審判の区別は帽子でできる。
ルールは陣取り合戦のわりには複雑で、審判の判定に不服があれば、ヘッドコーチ(日本流にいうと監督)はチャレンジといって不服を申し立てることができる。チャレンジできる回数は忘れた。チャレンジがあったときには、方々に設置してあるカメラで撮られた映像をレフェリーが見て最終決定をする。不服が認められれば(チャレンジ成功)審判の判定は覆り、認められなければ(チャレンジ失敗)タイムアウト(作戦タイムか?)の回数が減らされることになる。
その他難しいルールが山ほど決められている。
ラグビーやサッカーは、攻守が瞬時に入れ替わるが、アメリカン・フットボールでは、インターセプト以外にはそのようなことはない。攻撃が失敗してもインターセプトを受けなければ、4回まで攻撃することができる。
このようなルールは誰が決めたのか?
4回の攻撃で10ヤード進まないと、攻撃権が相手に移ってしまう。ボールが10ヤード進んだかどうかは、おおざっぱには判る。選手がボールを持って進み、膝が守備のタックルにより地面に着いた(ニーダウンというらしい。)地点(不正確かもしれない。)と、その攻撃を始めたときのボールの位置が10ヤードなければならない。
ボールを持った選手が倒れ込み、膝が着いた地点の特定は、折り重なった選手の下ということもあり、不正確だと思うのだ。しかし、審判は、その地点にボールを置く。そして、10ヤード進んだか微妙なときには、チェーンで測量をする。5cmくらい足りないと10ヤード進んだことにはならないとして新たな攻撃権は認められない。
ここが凄い、そもそも審判の指し示した位置は一般的に考えて不正確で、5cmなどというものは誤差の範囲だろうと思う。
審判の指し示した位置を絶対的なものと考えることが凄い。
他のスポーツでも審判の誤審はある。しかし、サッカーにせよ、ラグビーにせよ、それらのボールゲームにおいては、その他の場面でもアバウトなのだ。(審判の裁定がいい加減ということではないので、念のため。)
このルールは凄い。凄いというか、アメリカ的なのだ。
また、ハーフタイムショーでは、肉感的なお嬢さん方がたくさん出てきて、チアリーディングを披露する。
男は力で相手と戦い、それを女が応援する。
何となくアメリカの西部劇を思い出さないか? 極めて牧歌的でローカル色豊かな情景ではないか。
ボールゲームにおいては、サッカーの方が「グローバル」であり、アメリカン・フットボールは「ローカル」なのは間違いない。
そこで、短過ぎる本題に入る。
現在、日本政府或いは一部知識人が「グローバルスタンダード」などと言って、何やら判りにくい基準を持ち出し、それに従わなければ日本は世界から取り残されると言う。
本当か?
「グローバルスタンダード」は、どこの誰が作ったのか?
本当に世界の大国と言われる国が提案したのか?
仮にアメリカが提案したに過ぎないとすれば、アメリカン・フットボールのように、それは極めてローカルなものなのではないか?
こんなことを考えるのは馬鹿者か?