コラム

愕然としました!!(憲法改正問題)

今朝の新聞に憲法改正についての世論調査の結果が載っており、何とその新聞調査では58%の人が憲法改正に賛成しているというのではありませんか。
愕然としました。
何を改正しようというのでしょうか?
自衛隊の問題でしょうか?それとも高等教育の無償化を入れろとでもいうのでしょうか?
自衛隊を憲法上の組織とすることは明らかに誤りです。
私自身、自衛隊に対しては日本の国防上も災害の際の活動についても大いなる尊敬と感謝をしている者の一人です。
だからといって、自衛隊を憲法上明文化することには大反対です。
旧憲法の政治下において軍隊が暴走し国民を戦争へと駆り立てたことは紛れもない事実ですし、その反省に基づいて、日本国は戦争のない世界を熱望し、戦力を保持しないと宣言したのです。「それは理想でしかなく現実を直視していない」などという主張があります。しかし、憲法は理想を掲げるものであり、それに向かっての宣言が憲法なのです。ですから、「『憲法が現実とそぐわない』から『憲法が時代遅れで改正が必要である。』」という論理は間違っています。
「憲法と現実がそぐわない」ことは「現実が理想とはほど遠い悪いものである。」ことを表しているのです。
どうして、理想(憲法)をそれより低いものに合わせなければならないのでしょうか?
それは「ご都合主義」の典型ではないでしょうか?
最後の砦となるのが憲法なのです。現段階における憲法と自衛隊との関係は「自衛隊が違憲である」或いは「違憲の可能性がある」という考えの中で絶妙な「緊張関係」が築かれており、そこにいわゆる「文民統制」が働く可能性が極めて高いのです。
自衛隊の文書隠しが明らかになった現状において、憲法を維持することが極めて重要なのです。

高等教育の無償化を憲法に載せるべきだとの議論があり、国民の支持を受けている可能性があります。
私に言わせると、これは自衛隊問題を表面化させずに国民を誤導する「甘い餌」としか言いようがありません。
「高等教育」とは何でしょうか?
「義務教育」は国民全体の問題ですが、高等教育はそれを受けるか受けないかは国民の自由なのです。そこには「選択」があります。
高等教育を受けたくないと思い職人の世界に入って修行する人もいます。
高等教育の無償化という議論は「高校に行く人は無償です。」ということであり、それは高校に行く確率が高く、大多数の人が高校に行く現実に合わせようとしたものに過ぎず、高校には行かず中学を卒業して働き出した少数の人たちからは税金を取るのです。
憲法には「義務教育の無償化」は規定されていますが、義務教育とは何かを規定していません。現在は、小中学校が義務教育とされていますが、それは法律上で規定されているものなのです。
ですから、中学卒業生の大半が高校に進学するという現状があるのであれば、「高校も義務教育とすべきなのか」という議論があるべきであり、憲法改正などという議論にはなるはずはないのです。このような憲法の下位規範である法律で解決できる問題を憲法に載せるなどというのは国民を誤導する「まやかし」に過ぎません。
また、メジャーである高校進学者(その家族も含む)と中学を卒業して就職した者(その家族も含む)との間に憲法上の差異を認めることは「法の下の平等」には反しないのかの議論も当然でるものと思います。
国民は憲法改正については、もっと真摯な考慮を巡らし、賢明な議論をすべきです。